乳歯と永久歯の
歯並びについて

まずは乳歯と永久歯の歯並びについてご説明を致します。
実は、乳歯と永久歯は認識しやすいようにそれぞれの歯にアルファベットや数字をつけて呼んでおります。
乳歯の場合は、「アルファベット:A~E」「A~C:前歯」「DE:奥歯」
永久歯の場合は、「数字:1~8」「1~3:前歯」「45:小さい奥歯」「67:大きい
奥歯」「8:親知らず」 となっております。

乳歯

永久歯

乳歯列期(乳歯の歯並び)

混合歯列期(乳歯と永久歯が混じり合った歯並び)

永久歯列期(永久歯の歯並び)

①小児矯正


(乳歯列期)

3歳頃~5歳頃
特にこのような方におすすめです
  • 乳歯のみの歯並びの状態で受け口になっている

※受け口とは?
上と下の咬み合わせが上下的に逆の状態です。通常の咬み合わせの場合、上の歯が下の歯より前に出て咬んでおりますが、下の歯が上の歯より前に出てしまい、咬み合わせが逆になっている状態です。一般的には「受け口」と称されており、専門的には、「反対咬合」「下顎前突症」と言います。

乳歯列期

乳歯のみの歯並びの状態の時期に、まれに咬み合わせが上下反対になってしまうことがあります。

受け口(反対咬合・下顎前突)イメージ

原因の1つとしては、骨格の遺伝が大きく、治療をせずに放置してしまった場合

  • 上顎の成長抑制(上顎の成長を抑え込んでしまう)
  • 更なる下顎の成長促進(どんどん下顎が成長してしまう)
  • 咬み合わせが不安定による骨格の変形(顔のゆがみ)
  • 咬み合わせのズレによる顎関節症(お口が開きづらい・開けると痛い)

と様々な影響が現れてきます。
そのため、3歳頃からなるべく早い段階でのアプローチが必要となります。

当院では、小さなお子さんでも安心してご使用頂けます「ムーシールド」による 治療を行っております。

「寝ている時だけご使用頂きます取り外し式のマウスピース」となっております。

ムーシールド
寝ている時だけご使用
取り外し式マウスピース

装着イメージ

歯を動かすために、歯に直接くっつけるような装置や針金とは異なりまして、唇や舌などお口全体の筋肉を上手く利用しながら矯正を行うためのマウスピースとなっております。

改善後イメージ

お子さんの状況に応じた最良な方法をご提案させて頂きます。お悩みの際はお気軽にご相談ください。

②小児矯正


(1期治療)

6歳頃~

このような方におすすめです

  1. ご家族様の中で矯正治療を行った方がいたこと
  2. 家系的に顎が小さかったこと
  3. 乳歯の歯並びの段階で、歯並びがデコボコしていること
  4. 舌を「咬んだり」「歯に押し付けたり」「指しゃぶり」などの「悪習癖」がある方
  5. 見た目が気になっている方
  6. 咬み合わせが気になっている方

混合歯列期

乳歯の歯並びから、一部永久歯が生え始め、乳歯と永久歯が混ざり合い始めた歯並びの 状態の時期となります。 主に前歯の乳歯が揺れ始め、永久歯に生え変わり、 奥歯では新たに永久歯が生えてきたりと、乳歯の歯並びからの変化を自覚し始めます。この辺りの時期に歯並びが悪かった場合、「最も一般的な小児矯正(1期治療)開始時期の目安」となっております。歯並びの本数を写真で解説します。

上の永久歯が6本
(前歯4本の生え変わり、奥歯2本新たに生える)

前歯4本の生え変わり
A(乳歯)→永久歯)
B(乳歯)→(永久歯)
奥歯2本新たに生える
6(永久歯)

下の永久歯が6本
(前歯4本の生え変わり、奥歯2本新たに生える)

前歯4本の生え変わり
A(乳歯)→永久歯)
B(乳歯)→(永久歯)
奥歯2本新たに生える
6(永久歯)

横から見た場合

CDE(乳歯)
126(永久歯)
このような状態が目安となっております。

骨格の成長(顎の成長)を促し、今後、歯を抜かなくても歯を並べられるような可能性を高めていきます。主に、骨格(顎の骨)のコントロールを行う矯正治療となります。

③小児矯正(1期治療)
 +成人矯正(2期治療)

10歳頃~14歳頃

このような方におすすめです

  • 時間がかかっても見た目や咬み合わせをしっかりと安定させたい方
  • ご家族様の中で矯正治療を行った方がいたこと
  • 家系的に顎が小さかったこと
  • 乳歯の歯並びの段階で、歯並びがデコボコしていること
  • 舌を「咬んだり」、「歯に押し付けたり」、「指しゃぶり」などの「悪習癖」がある方
  • 見た目が気になっている方
  • 咬み合わせが気になっている方

混合歯列期~永久歯列期

乳歯と永久歯が混ざり合っていた状態から乳歯がなくなり、永久歯のみの歯並びへ移行していく時期となります。

乳歯と永久歯が混ざり合った歯並び
(混合歯列)

CDE(乳歯)
126(永久歯)

顎の骨の中の様子
成長している永久歯

3457(成長中の永久歯:顎の骨の中)
CDE(乳歯)
126(永久歯)

永久歯の歯並びへ

1234567(永久歯)
123(前歯)
45(小さい奥歯)
67大きい奥歯
親知らずはまだ認められません。
18~22歳頃に生え始めます。

この時期までは、骨格の成長(成長のピーク)を利用することができます。日本人の平均的な成長期における成長のピークは、
女の子 10~12歳頃
男の子 12~14歳頃
となっております。
骨格の成長を利用できるということは、矯正治療を行う上で、より良い条件となるため、歯をきれいに並べられる可能性が高くなります。状態にもよりますが、歯を抜かずに歯並びを改善できるチャンスでもあります。

④成人矯正


(2期治療)

14歳頃~

このような方におすすめです

  • 見た目を美しく改善されたい方
  • 安定した咬み合わせに改善されたい方
  • 顎関節症の方
  • 歯並びが悪いことでコンプレックスがある方
  • 歯並びの影響で人前で大きく笑うことができない方
  • 大きなイベントを控えている方(就職、結婚式など)

永久歯列期

永久歯のみの歯並びの状態の時期となります。

(親知らず)は、18~22歳頃に生え始めます。
顎が小さい場合、埋まってしまい生えてこないことも多くあります。

成長期での成長のピークを通り越し、骨格の成長が減少し始めます。骨格の成長を促したり、利用することが難しくなるため、歯をきれいに並べるための、顎の骨の大きさに制限が出始めます。20歳以上の場合では、顎の骨の成長はほぼ終了している状態のため、顎の骨が小さいケースでは、抜歯を前提とするような成人矯正(2期治療)が一般的となります。
※抜歯の必要性については、矯正検査にて精密に分析を行い、判断をさせて頂きます。

また、18歳以降に成人矯正(2期治療)を開始された場合、歯をきれいに並べていくために、親知らずが干渉してしまうことも多いため、矯正治療を開始する前に抜歯を検討して頂くこともございます。

抜歯を行う判断について

総合的な評価を行った上で、抜歯が必要な場合のみご提案をさせて頂きます。なぜ矯正治療で抜歯を行わなければならないケースがあるのでしょうか?

矯正治療で抜歯をする意義としましては、主に4つ挙げられます。

  • 歯並びのデコボコを解消するためのスペース確保のため
  • 上下の歯並びの咬み合わせのズレを補正するため
  • 前歯の角度や位置を改善するため
  • 口元の突出(口ゴボ)を改善して綺麗な横顔に導くため

このような問題点は、抜歯を行うことで改善させることが可能となりますが、当院では最終的に患者様のお気持ちを第一優先に考え進めさせていただきます。

①小児矯正から矯正治療を開始された場合
早い段階では、6,7歳頃から矯正治療を開始することで、骨格の成長(顎の成長)を促し、今後、歯を抜かなくても歯を並べられるような可能性を高めていきます。ただし、骨格の遺伝も大きく左右するため、なるべく抜かないよう努力をさせて頂きますが、 骨格の成長具合にもよりますので、随時、判断しながらご説明をさせて頂きます。
②成人矯正から開始された場合
日本人の成長期は、女の子は10歳~12歳、男の子は12歳~14歳がピークとなっておりまして、この時期以降に矯正を開始された場合は、ある程度の骨格ができあがっているため 成長をあまり促すことができません。そのため、顎の大きさに対して歯を並べていかなければならないので、スペースが不足していた場合、抜歯を行う確率が高くなります。
③抜歯が必要なケースで、抜歯を行わず矯正治療を開始した場合
小児矯正から始められたケースでも、ご家族様の骨格の遺伝の可能性や検査結果と成長段階を総合的に考えても、抜歯を行った方が良いのか、行わない方が良いのか微妙なボーダーラインケースの場合は、ご本人様、ご家族様のご希望をお聞かせ頂きまして、まずは、抜歯を行わず、矯正を開始し、顎の成長具合を見ながら、厳しいようであれば、ご相談後に抜歯を行う方向性に切り替えていくこともございます。ただし、明らかに歯を並べるための顎のスペースが不足しており、抜歯をせずに無理に歯を並べた状態では、歯をきれいに並べることが出来なかったり、予想以上に突出した感じ(現状よりも出っ歯になる可能性)になることもございます。そのため、必ず今後予測できる状況をご説明させて頂いた上で、患者様に御希望の方針をお決め頂いております。

矯正治療を行う上で問題となるようなこととは?
骨格は遺伝する可能性が高いこと
親子間、兄弟間において「骨格は、非常に似る傾向」があります。ヨーロッパでも有名な「ハプスブルグ家」の王室の間で代々「受け口」の骨格が長期に渡り受け継がれていた記録が存在します。基本的には、遺伝的要因がとても高くなりますが、必ず同じような骨格へ成長するとは限りません。しかし、「可能性は十分に秘めております」矯正学的に骨格に関しては、とても重要な分析項目の1つとなります。問題となるような骨格に成長する確率を少しでも低下させる場合は、成長過程を見極めながら、小児矯正を行うことが改善策の1つとなります。

歯並びが悪い方、矯正された方が親族におられた場合
親子間、兄弟間においては、骨格は遺伝する可能性が高いため、過去にご親族様の中で歯並びが悪い方、矯正をされた方がおられた場合、骨格的な問題や歯並びが悪くなってしまう状態を受け継がれる可能性も非常に高く、小さいころから矯正治療をご検討頂いたほうが良いかもしれません。お悩みやお困りの際は、ご遠慮なくご相談下さい。

歯並びが「悪くなる」
原因について

歯並びは、顎の骨と歯の大きさのバランスで成り立っております。歯並びが悪くなる原因には、様々な要因が関与しておりますが、特に大きく影響する要因としましては、
①代々受け継がれてきた「骨格の遺伝」
②「歯の大きさ」や「歯の本数」
先天的に極端に歯の大きさが小さかった場合や、何本か、もともと歯がなかった場合など
③小さい頃、無意識に行っていた、舌を「咬んだり」「歯に押し付けたり」「指しゃぶり」などの「悪習癖」 となっております。
このような要因を小さい頃から、長期間放置してしまった場合、歯並びが悪くなる原因となります。改善策の1つとしましては、小さいころから骨の成長をコントロールする小児矯正(1期治療)がカギとなります。

歯並びが「悪いこと」
による影響について

歯並びが「悪いこと」は、小さいころから成人するまでの間、様々なことに影響します。顎の骨と歯はとても密接な関係であり、お互いのバランスが崩れてしまうことで、歯並びが悪くなるだけではなく、顎の骨、歯、その周囲の組織に悪影響を及ぼします。

小さいころから小児矯正(1期治療)などにより顎の骨のコントロールを行い、生えてくる歯を誘導できれば、悪化することを未然に防ぐことができますが、成人するまで放置してしまった場合、一般的な抜歯を前提とした成人矯正(2期治療)や、ごくまれに手術を前提とした外科矯正へ発展する可能性があります。このように成人するまで歯並びが悪い状態を放置してしまった場合、予想される内容に関しましては、
・骨格(顎の骨)に問題が起こること
→出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突、反対咬合)、開咬(お口を咬んだ時に隙間ができる)、顎の骨の変形(顔のゆがみ)
・歯周病の悪化
→とても歯磨きが難しく、磨き残しが多く残ってしまう可能性が高く、歯周病の進行に関与してしまいます。また、歯周病は症状が悪化するにつれて、歯茎の腫れ、出血、痛み、膿、揺れ、口臭など、歯だけではなく、周りの骨や歯茎など多くの組織にダメージを与えていきます。最終的に歯を失うこともあります。
・虫歯の発生や悪化
→歯磨きが難しく、磨き残しが多ければ多い程、虫歯になるリスクや虫歯があった場合、進行してしまうリスクは、上昇していきます。
・顎関節症
→歯並びが悪いことで、成長期に骨格の成長をゆがめてしまい、顎の骨の変形につながることがあります。ゆがみが重度な程、見た目的な顔のゆがみや、顎関節症を引き起こすこともあります。
・メンタル的なダメージ
→歯並びを気にし過ぎてしまい、人前で笑顔になれないこともあります。このようなケースでも、小児矯正から開始した場合、回避できる可能性は高くなります。様々な可能性に関しましても、遺伝や日頃の生活習慣により大きく異なりますので、お悩みの際は、ご遠慮なくご相談下さい。

矯正治療期間
について

現在の年齢や歯並びの状態など、総合的に評価をさせて頂いた上で、最適な矯正プランをご提案させて頂いております。そのため、矯正治療期間におきまして、個人差はございますが、プラン別に表記させて頂きます。

矯正プラン別の治療期間目安

・小児矯正(乳歯列期):「受け口」のお子様が対象となります                     
→1年~1年半程(就寝時のみ装着となります。)
 歯並びの状態や時期、協力度(お子さんの年齢により長時間の装着が困難なこともあります)により大きく異なります。

・小児矯正(1期治療) + 成人矯正(2期治療)         
→小児矯正(1期治療)1年~1年半 + 休憩期間(永久歯の歯並びに全て生え変わるまで/装置を一旦外します)+成人矯正(2期治療)2年半~3年前後
 ※1期治療を行って頂いている場合、2期治療の際に抜歯症例ではなければ、治療期間が短くなることもございます。

・成人矯正(2期治療)                       
→2年半~3年前後
 ※難しい症例の場合、期間が延びることがございます。

矯正治療が長期間かかってしまう理由について

よく矯正治療に長期間かかったなど、お聞きされたことがあるかもしれませんが、体の状態や治療方法により大きく異なっております。最長プランの小児矯正(1期治療)から成人矯正(2期治療)まで行った場合は、小児期から顎の骨のコントロールを開始し、成長につれ歯並びをコントロールしていく総合的な矯正治療となります。そのため、1期治療から開始し、2期治療終了までをご決断頂いた場合、かなりの長期的なイメージとなりますが、症例により期間は様々です。また、矯正治療に関しましては、どのご年齢でも制限はございませんが、体の条件(骨の硬さ)など大きく影響します。人間の体は不思議なもので、30歳を境に突然骨が硬くなり始めます。(個人差あります)そのため、30代以上から矯正治療を開始されたケースの場合、平均的な矯正期間よりも 多少長くなる傾向がございます。骨の硬さは、歯を動かすスピードに影響はしますが、どのような症例でも、1ヶ月に1mm動かすことが限界です。(無理に1mm以上動かそうとしますと、痛みを自覚されたり、歯の根っこが溶けてしまったり、歯の神経がダメになる恐れがございます。)つまり、矯正期間が長期間に及んでしまうケースでは、歯並びが悪いこと、歯を並べるスペースが不足しているため、歯を抜歯したり、歯を動かす本数や動かす量が多いほど、矯正治療期間がかかってしまうという結果となります。

矯正治療前に行っておきたいこと

①歯周病治療
日頃において毎食後の歯磨きを一生懸命頑張って頂いたとしても、少しずつ汚れが蓄積し、2,3ヶ月後には歯石へと変化し、歯茎にダメージを与えていきます。歯科医院にて定期的に歯石の除去や歯のお掃除を行って頂くことで、安定したお口の環境を維持することが可能となります。矯正治療を開始した場合、矯正装置により通常の歯磨きよりも磨くことが大変なため、より一層安定した歯磨きの仕方や、歯間ブラシ・フロスの通し方が重要となり、事前に身につけておくことが大切です。また、歯周病の進行している状況では、歯茎が腫れている影響で、歯をきれいに並べることができません。そのため、歯周病が進行している場合は、改善を行ってから開始されることをおすすめ致します。

②虫歯治療
虫歯は歯を壊してしまう進行性の病です。虫歯の進行具合によっては、歯が欠けたり、割れたり、歯の神経の治療が必要になることもあります。矯正治療前に虫歯を除去して元の歯の形に改善しておくことで、審美的に歯をきれいに並べられたり、機能的にしっかりとした咬み合わせをつくることでよく咬めるようになります。一方で、虫歯治療を行わず、矯正治療を開始された場合、治療中に歯が欠けたり、割れたり、歯の神経の治療が必要になった際は、矯正装置を外して一時中断状態になることもございます。また、理想的な歯並びや咬み合わせをつくることも難しくなります。まずは、矯正治療前に徹底した虫歯治療を行うことをおすすめ致します。

③親知らずの抜歯
小児矯正から矯正治療を開始されたケースにおいては、あまり親知らずの影響を受けることはございません。そのため、矯正治療を終了後に親知らずが成長し、干渉してくるようであれば、状況に応じて親知らずの抜歯をおすすめしております。矯正治療前に親知らずの抜歯を行う必要性がある主なケースは、20歳以降から始められたような成人矯正となります。20歳以降では、顎の骨の成長が止まりしっかりとした骨格が完成しております。また、親知らずもしっかり根っこの先まで成長している状況です。そのため、早ければ、18歳付近から親知らずが生え始め、多くのケースでは、他の歯に干渉していることがあり、安定した歯並びや咬み合わせをつくる上では、早々に抜歯されることをおすすめ致します。イレギュラーのケースとしましては、もともと生まれつき歯の本数が少ない場合は、親知らずを含めて歯並びをつくっていくこともございますので、どのような症例においても、しっかりとした検査・分析・診断が重要となります。

矯正治療後に行いたいこと

①被せ物を新しくすること
もともとお口の中に被せ物があった場合、歯並びが悪かった状態に合わせて作ってあるため、矯正治療後には、きれいに並んだ歯並びに合わせて新しく被せる必要があります。
被せ物についてお悩みの際は、ご遠慮なくご相談下さい。

オールセラミッククラウンの詳細につきましては、
「ゆのきざわ歯科医院 セラミック治療専用HP」をご参考になさってください。

②念入りなブラッシング
矯正治療により歯並びや咬み合わせがきれいになった状態と、過去の悪かった状態と比較した場合、明らかに歯磨きがしやすい環境となり、虫歯の発生率や歯周病の進行を抑えることができます。しかし、決して無敵であったり、メンテナンスフリーではございません。毎日の食後の歯磨きや歯科医院での定期的歯石取り・歯のお掃除を怠ってしまった場合は、例外なく、歯周病の悪化や虫歯の発生リスクが上昇してしまい、歯へのダメージが蓄積されますので、十分にご注意下さい。

矯正治療後はリテーナー(保定装置:歯の後戻り防止装置)が必要なこと

歯並びが悪い状態から理想的なきれいな状態に歯を並べた場合、歯が元の位置に戻ろうと後戻りをすることがあります。矯正治療が終了してきれいな歯並びが完成しても、この後戻りを防止して、長期間咬み合わせを安定させるためにリテーナー(保定装置)を装着します。当院での保定装置は、どのような症例でもなるべく違和感が少なく、目立たないように工夫させて頂いております。また、後戻りを防止するための保定装置の装着期間に関しましては、矯正治療で歯を動かした期間と同じ期間装着させて頂くことが理想的です。